壊れた愛が奏でる旋律は
夜空を満たす星の嘆きにも似て
僕はこの夜に爪を立てる

満たした器 掌を突き立てて
弾ける雫 妖しく照らし出す
僕はこの夜に囚われてる

いつか見た景色を 忘れないように
瞳閉じて焼きついた太陽の色を思い出す
胸の奥から涌き出る感情の泉は
僕の全てをかき消してしまう

こうして 何時までも
一緒にいられたら
幸せという言葉すら
意味を無くしてしまうのに
いつも僕は夜を呪う

響かない声 紡ぎ続けるのは
届かない掌を伸ばすのと同じ
僕は無力感に苛まれている

壊れた愛の破片拾い集めて
足りないパズル組み上げようとしている
僕はきっとあの日々に嫉妬している

閉ざされた部屋の中で
今も膝を抱えている
覆い被さる闇に怯えて
僕は
僕は
僕は夜に闇に飲み込まれる

いつまでもここにこうしていたいけれど
僕は行く先が ある
そんな瞳で縋り付かれても
僕は行くしかない
君を 失ってしまっても
今は 行く場所がある
見失ってしまうことばかりだけれど
僕は諦めることは ない
誰に忠告をされても
決めたのは 僕だから
今は 行くしかない

いつか見た夢の中で
僕はこうして生きている
漂う雲の自由さと
鉄の硬さを兼ね備えた
僕の心は
まるで硝子細工のように脆く
美しく壊れるだろう

終わらない 夢を見ている
閉じた瞳の中で
止まった時間の歯車は
動く気配すら見せてはくれない

走る アスファルトの上
汗が流れることも厭わず
足を前へと ひたすら
進める
反動が脳を刺激して
僕の思考は珍奇に暴走を始める
快楽はここにあり
悦楽はここにある
これがランナーズハイ

溢れる心の中身を
放棄する場所が見つからない
他人に押し付けようとしても
答えは無い
誰も受けとってはくれない
溢れた心はやがて水気を失い
砂漠の砂よりもしなやかな手触りになる
万物が最後に辿り着く姿になる

涙に濡れた顔で強引に笑う
そんな強さが眩しくて
僕は視線を空へと上げる
見えるのは真っ赤な夕焼け。
山裾まで視線を移すと
夕焼けは黄金を零したような輝きを放っている
君を見る。
ああ、君は今こんなにも美しく
夕焼けと共存している。
僕は君の涙と笑顔を抱き締めて
夕日に染まった

宝石箱からダイヤが零れた。
そんなシーンを思い浮かべて、星を見ている。
太陽が地球にキスをしている。
そんなシーンを思い浮かべて、夕焼けを見ている。
海と空が溶け合い、交じり合ったような青さを見て
僕は青い涙を流す。
哀しい訳じゃない。辛い訳じゃない。
ただ、それが美しかったから 泣いた。
美しいとしか言えないのが悔しくて、泣いた。
夏の太陽はそんな僕を熱して、心に火をつけた。
走り出すのは、今。
そう思って、僕は坂を越えた。
辿り着く場所は、どこ?
誰も知らない。道はない。
宝石箱はカラになった。
太陽は僕には惚れなかった。
空も海も欠点が無かった。
夜が来る前には、きっと
手を伸ばすことが出来るだろう

窓に爪を立てる
力を入れず、動作だけをなぞる。
仕草だけを真似る。
外は憂鬱な雨 暗い雰囲気
きっと通りの人々は誰も口を開かないのだろう
そんな場面を思い浮かべ
拳を形作る
力は入らない
無力感に圧し掛かられ、僕は
冷たい言葉を探す
否定する要素を探す。
分かることは一つだけ。
雨から逃げていては、何も変わらない
外は雨が降っているけど、それだけじゃない。
きっと、たくさんの出来事が転がっているのだろう。
それらは雨に濡れ、僕を待っている。
そう信じて
さあ、窓を開けよう。

あと、あと少しだけ
今はこうしていたい
そんなささやかな望みを
貴方は叶えてくれない
哀しい顔をしないで
私は逃げないわ
今はここでこのまま
貴方を待っているから
手を伸ばしてみて
きっと届くから
私の胸の中に
貴方はいるのだから

今日はどこまで足を伸ばそうか
空を舞う鳥のように
私に制約はない

ただ自由に存在しているだけだから
何も手にすることはできないのかもしれない
そう、それでも 貴方がいれば
私の自由な心 求められるわ
制約はなくても
契約はあるの
貴方のそばにいること それが唯一の望み

胸に突き刺さる言葉が欲しいのなら
誰かを傷付ければ良い。
きっと、その人は傷付いた心で
心にも無い言葉を吐き出すだろう。
その言葉が突き刺さらないのなら
貴方の心は歪んでいる。
何もかもが足りない。
そう、私のように

透き通った空気 張り詰めた空気
僕は息を搾り出す 命を確認するために
暖かな呼気は白く染まり
静寂の中に一片のアクセントをつける
踏み出す足音すらも 響く
遠くまで見渡せるような気になり 目を凝らす
いつもの街並みは 月並みで
神聖な空気の中にあっても 変化を拒んでいる
その強情さに 僕は共感して
握り締めた硬貨を 指で弄ぶ
何も願わず 思わず 祈らず
ただ 静けさを味わっている
自動販売機を探して

懐かしい匂い
歩き出す 一人で
あの頃は見えてなかった
景色を心に残して
踊る心 抑えつけずに
そのまま ありのままで

今この時を逃してはならない
僕はそう言われて 恐くなる
足元に広がるのは、底の見えない深海
光の届かない海の底は、きっと僕の知っている世界とは全く
違うのだろう。
そんな未知のものへの恐怖が
僕を支配している。
今を逃してしまうのは、その恐怖を
永遠に続けさせてしまうことなのかもしれない。
踏み出す一歩はとても恐いけど
いつまでもこうしている訳にはいかないから
僕は一歩を踏み出す
深海に乗り込む、冒険家のような気分で

抱き締めたい 君のことだけ
忘れないで 僕のこの手を
お願いだから 戻っておくれ
僕の右側に
帰らないで 君の世界に
僕の世界 壊さないで
きっと きっと
僕は きっと
いつか君を探して この街を流離うだろう

星に手を掲げよう。
月に背を向けよう。
そして僕の体に光は満ちる。
冷たくて、優しい
夜の闇を拭い去る光に。

貴方はそこで待っている。
私の帰りを待っている。
私はそこには戻れない。
貴方がそこに立っている限り。
二人が離れていた日々は、空白。
私はその白を黒い感情で埋め尽す。

ニコチンを補給しても僕の苛立ちは消えない。
紫の煙が部屋に浸透しても僕の悲しみは消えない。
苦しくて苦しくて、僕は窓を開ける。
滑り込むのは夜の風。
挨拶もなしに上がりこむ。
僕は肺を夜の空気で洗浄する。
苛立ちも悲しみも苦しみも
そして喜びすらも吐き出す。
これでゆっくりと眠れるはずだ。
太陽が山裾を藤色に染め上げるまでは

散りばめられた星空が
僕は気に入らなくて
夜の中に飛び出す。
空を見上げると、溜め息が漏れるから
前だけを見つめている。
風に冷やされる頬が痛くても
膝が大きく崩れても
止まることはないだろう。
散りばめられた星達が
朝の光に霞むまで。

沈んだ空気を洗い流そう。
光を運ぶ風に任せて。
僕らはこの部屋から動かない。
僕はここに立っている。
どうにもならないことばかり
君は笑ってやり過ごす。
僕は沈んだ空気を、少しだけ
胸の中に残しておく。
それが、日々の努力の源になるのなら

全ては夜の破片
一つの夜の散漫な妄想
繰り返し、繰り返し
今日もこの部屋に飛び散って行く
拾い集めるのも、放置するのも
その時の気分次第
あるがままに、なすがままに
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