遺伝
遺伝、というものがある。
人間と他の生物を比べると、あまりにも悠長すぎると思う。
植物はかなり進化が早い。
そして、確実に次の世代に繋げている。
動物もそうだ。
教わってもしないことを自ずと始める。
人は?
人は一々教わらないとならない。
生きることすらも、考えることすらも。
進化するスピードが遅すぎる。
遺伝できる情報に具体的なものが少なすぎる。
俺の子供ができたとして、
考えることは教えなきゃならんのか?
悩むことは?悔やむことは?思いつくことは?動き出すことは?
失敗を認めることは?
進化しようとすることは?
人間は弱すぎる。地球上の存在として
だから数が増え、支配する土地を広げたのだろう。
でも、常に 惧れ、恐れている。
何を?
全てを、だろう。
天災、人災、他者、闇、そして
死。
これだけ天敵が在るならば
もっと早く進化するべきだろう。
地球上の異分子としてでなく、
全ての 先の存在へと
真の意味での 万物の霊長へと。
それは、
物質社会でなく、精神社会でなく、
それら全ての調和のとれた、第三の社会を築くだろう。
俺はそれを見届けたい。けれど無理な相談だ。
ただの人間でしかないから
脳という可能性を使い切れない
弱い肉体にしがみついた、
社会からはみ出すことを良しとできない、
途中経過の内の一人でしかないのだから。
人は進化を急ぐべきだ。