愛という気持ち、愛という感情、愛という祈り
 それは、何時の間にかあるもので、心の中の、その奥の、
 一番、脆く、儚いところから出てくると思っていた。
 考えていることは、何時も どこかしっくりこなくて、
 表面を滑らかに滑っていってしまうとしても、それでも、
 良い。と、思っていた。
 正しいことは何一つなく、間違っていることも何一つとしてないのだから。
  そんなことにばかり気をとられていたから、
 誰かを本当に好きになることなんて出来なかった。

  自分が嫌いな俺に、他人を好きになる権利はなく、その資格もない、と
 痛みだけが加速して行く。

  俺の足りない頭じゃ、どんなに言葉を連ね、並べ、重ねて、
 相手に届けようとしても、
 それは歪んでしまって、
 いつも傷を与えるだけで、
 どうしても幸せになれない。

 何があれば満たされるだろう?

  何があれば夢から覚めることが出来るのだろう?

 人を愛し、その人に全てを委ね、求めればいいのか?
 そこまで盲目にはなれない。

 全てを諦め、孤独の内に止まってしまえばいいのか?
 そこまで悲観的にはなれない。

 悪いのは全て自分の半端さ
 迷わずに突き進めない弱さ

 俺は破滅を望んでいる訳じゃなかった。
 何も望めないから、自棄になっていただけだった。
 どうすれば、とか 何があれば、とかも もういらない
 たった一言 言ってしまえば良い
 その一言を今は 探している。
 それで、いい。
 
inserted by FC2 system