無為自然
何もせずに、何も思わずに、何も語らずに、
生きていけたら、どんなにいいだろう。
苦しいことも、悲しい事も、辛いことも無く、
誰かを傷付ける事も無く、恥をかくことも無い。
それでいいのだろうか?
そうじゃないと、俺は思った。
だけど、生きてく辛さをひたすら我慢することもできずに、
流されて行くだけだった。
それでいいのだろうか?
違う。俺はもっとしっかり生きていきたい。
最期の時に「ありがとう」と笑って言えるように。
今のままじゃ言えない。
「死にたくない」とも言えない。
何かが足りない。
分かってる。俺が全部悪いんだってことくらい。
かと言って物事を急に変えようとしても、どこかに歪みが出るだけで、必ず上手には行かない。
でも、何も出来ないままの俺じゃ、いつまでも何も変わらない。
変わりたいのに、変われない。
いっそのこと、一つに本気になって打ち込めれば、少しはマシな男になれるのだろうか?
分からない。何も分からない。
だから俺は出来ることを片付けて行くしかない。
一つ一つ、確実に。
それが俺の普通。
それが俺のいつも通りの生き様。