俺は良く知っている
同じ言葉で分かり合えない辛さを
ほんの些細なすれ違いが淋しさを加速させる
どれだけ繰り返しても慣れはしない
本当に欲しいものは言葉でなく心なのに
他人の心は言葉を介してしか伝わらない
俺の心は言葉を介してしか伝えられない
この不完全なカタチが俺の現在だ
このままずっと苦しみを手にしたまま進んで行くのだろう
もし 心で通じ合えることが出来たなら
世界は完全に安定してしまうだろう
絵に描いたような理想郷になってしまうだろう
けれど それで満足することは出来ず
足りないまま 沈んで行くのだろう
人としての本質が良く見える
きっと この不完全で虚ろな今の姿が
人という存在を育てるのには最適なのだろう
現に この時代 人が全てを分かり合えるように努力している
それも かなりのスピードで
言葉はきっと統一され 心も画一化されて行くだろう
それが 意識の補完なのなら
俺は願い下げだ
例え一生分かり合えなくても
違ったことばで
俺のことばで
俺のこころを詠って行く
辛く悲しく苦しく満たされないまま ずっと
それが罪だというのなら甘んじて受けよう
だけど 今はそんな暇は無い
俺には使命感があり 手段がある
心を真の意味で世界に伝えること
それは世界を変えることではなく
俺が世界に認めてもらうための行為
俺が見つけた 生きてきた理由
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