心ってのはいつも不思議だ。
つまらないことで俺達を悩ませるくせに、
その悩みを吹き飛ばすことも出来る。
人は心があるから苦悩し、
同時に前へと進む強さを引き出すことも出来る。
心がなくては、人の価値も半減してしまうだろう。
それほどまでに俺達の中でウエイトを占めている。
最大の弱点で、最高の武器。
脆くもあり、儚くもあるのに、何よりも強くなる可能性を秘めている。
複雑だ。
それなのに、心は目で見ることが出来ない。
手で触れることが出来ない。
男と女はそれを知っているから、体を重ねる。
それがまやかしだとしても。
それが唯一確実な心を通わせる行為だと信じて。
悪いことではないだろう。
それでも、存在しているだけの心は通じ合うことはない。
ただそこに在るだけではまだ足りない。
俺達は心を磨いて行く。
違う心と触れ合うために。
違う心を手に入れるために。
手を伸ばしても触れられないのなら、心を伸ばせば良い。
人との触れ合いの中で、心を成長させて行けば良い。
そんな簡単なことですら、俺達には足りていないのかもしれない。
どうしても矛盾を抱えてしまう。
心があるから。
もっとロジカルに生きることが出来れば幸せなのかもしれない。
理屈に合わないことは全て排除し、
最低限の行動で最大限の効果を手にする。
圧倒的に正しい行為ばかりを率先して取る。
それが出来るのならば、人の心なんて必要ないのかもしれない。
でも、そんなことは誰にも出来ない。
気がつけば在る心と、望まなくては存在しない理論とでは
順位が違う。
心はただ、そこに在る。
理屈は人の心が作り上げる。
先に存在したのは、心。
理屈なんてのは分からないことを強引にでも分かろうとする
人の弱い心が創り出したものにしか過ぎない。
そんなものに、始めからあったものほどの価値はない。
分かっているんだろう?
どんなに言葉を並べても同じだってことが。
この無形で、無限の心こそが、最高の道標になるってことが。
だからこそ、人は皆心を大切にしているのだろう。
それでも、心は見ることすら出来ない。
心は一体、どこに在るのだろう?
脳ではない。胸でもない。増してや腹ではない。
心は、僕達の存在している空間に在る。
僕らの身体と同じ形、同じ大きさ、同じ色で。
それは時によって変化するものなのかもしれない。
小さくなったり、大きくなったり。
人の心はどこにでも行ける。
自分を育てて、心を成長させよう。
夢見た場所に辿り着きたいのなら
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