鈍い頭痛が甦り、
今日も一日が始まる。
限られた時間は止まることなく、
ただ、無駄に過ぎて行く。
それは世界を旅する風と同じだと
自分を慰めてみても、
もやもやだけが蓄積されて、
やがて僕は潰れてしまうだろう。
そして、頭痛の治まらない頭は
今日も僕に命令を下す。
「もっと努力をしなくては」
「もっと楽をしてしまえ」
天使と悪魔とは良く言ったもので、
常に選択は一つじゃない。
お蔭で頭痛は酷くなり、
またちぐはぐな言動をする。
まともな部品のない体で、
上手に振舞うこともなく、
誰かに好かれることもなく、
ただ敵だけを作ってく。
そんな毎日を繰り返し、
どこかで全てを消したくなっても、
それは虫の良い話しだと、
天使と悪魔は揃って言う。
だから僕は、
今日も頭痛を抱えたまま、
それにただ、耐え忍ぶ。
現実の辛さから逃げられるなら、
今よりもっと上が良い。
中途半端なこの位置は、
もう充分堪能したから。
もっと下より上が良い。
下から上がって来たのだから。
一度落ちてから昇ってきたから、
もう、二度とは昇れないだろう。
これが最後の賭けだから
どんな苦痛も耐え忍ぶ。
だから神様お願いだ。
どうかこの僕の行く先に
これ以上の不幸を置かないで。
もう、充分味わったから。
後は昇るだけだから。
それだけに専念したいから。
朝日はまだかと叫んでみても
現実はどこまでも頑なに
自分のペースを崩さない。
そして僕を嘲笑い
今日の朝日は昇らない。
僕の足場は崩れてしまい、
墜落して行くだけになる。
行き着くところはどこでもなくて
そこは底でもないのだから
また昇ろうと無理しても、
手の届く場所には何も無い。
蜘蛛の糸すらも降りて来ない。
僕は蜘蛛が嫌いだから
それには掴まらないだろうけど、
何かがあってもいいだろう?
そこまで俺が嫌いなら
俺の命を絶ってくれ。
むしろ無かったことにしてくれ。
今ならそれで構わない。
これ以上上に行ってしまえば、
落ちることが恐くなるだろう。
だから頭痛を止めてくれ。
朝日を瞳に焼き付けるから。
必死に生きてみせるから。
価値の無い物語にはしないから。
自分を卑下したりはしないから。
黒が好きなんて言わないから。
友達を増やしたくないなんて言わないから。
ここはどこだなんて訊かないから。
自分の存在を疑わないから。
生きて、いたいから。
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