トップの一言 日記からの抜粋

空の色が 青く見えるなんて
僕はまだ何一つとして成していないのに
こんなにも 空の色が青いなんて

そんな顔は しないでくれ
そんな顔を 見せないでくれ
大丈夫 大丈夫なんだ
俺はひとりを選んだけれど
もう 寂しくはないんだから

この夜に
俺はまだ
悩み続けるのか?

振り出した雨はいつしか音を失い
視界を灰色に染めるノイズは
気が付けば 白い雪に
四月に降る雪は音もなく そして
残ることもなく 気付かれることすらなく
降り続けて 止む

回る歯車は力強いから
迂闊に手を触れると怪我をするんだぜ?

舞い散る桜の花びらが
腐肉に群がる羽蟻に見える

消せない記憶も
消してしまった痛みも
代償を必要とするのなら
止めておけ
大抵の場合、そのレートは僕らにとって不利なんだから

風が吹いた 吹いていた
過ぎ去った風に手を伸ばした 届かなかった
でも
ちょっと待ってろよ
風はまた 吹くからさ

誰もの中に確かにある
そのトリガーを引こう
自分でも気付かなかった自分を
指し示してやろう

水に沈めた記憶の全て
いつか
泡と消えるまで

25歳。なんてことだ。こんな歳になってしまった。
僕は決定的に間違ってしまった。
大切なものはとっくに過ぎ去っていたんだ。
24歳の時に気付いておくべきだった。
僕はどこかで死んでしまうべきだったんだ。
少なくとも25歳になってはいけなかった。
17歳でも21歳でも23歳でも良かった。
終わりにすべき所は確実に存在していたじゃないか。
いつも僕はこうだ。
通り過ぎてしまってから標識に気付く。
振り返っても見えるのは裏側だけで、それが何を言わんとしていたのか分からない。
しばらく走ってから「ああ、もしかして……」と思うんだ。
僕はあそこで死んでしまうべきだったんだ。
誰が何と言おうと。

全ての破片がをかき集め
パズルのように組み上げる
ぴったり合いはしないけど
どうせ組むなら 出来るだけ綺麗に

人の気持ちが分かるっていうのは
メリットじゃない
人の気持ちが分かると
自分の気持ちまで分かってしまう
それはメリットじゃない
分からないからいいんじゃないか
分かってしまったら きっと僕らは何もやらない

「仕事だから」とか「好きだから」とか、大義名分掲げるくらいなら
「嫌だから」とか「やりたいから」とか
自分の本心を言えばいいのに
大義名分って逃げ口上にしか聞こえませんよ?
アンタはどこにいるんだい?

全てを消してしまえるのなら
死ぬのもそれほど悪くない

暗い目で 明るい声で 爽やかに 言おう
「これから ずっと 一緒だよ」
時の止まった貴方と
時から外れた私と

そこが逃げ場じゃないとしたら
僕らはどんな顔をしてそこにいれば良いのだろう?
現実に打ちひしがれて そこに行く
でも そこにいる間だけは
本当の笑顔を 浮かべているんだ
そこは逃げ場じゃない でも
笑顔を浮かべることだけは
出来るんだ

例え貴方が僕しか知らなかったとしても
他の誰をも知ろうとしなかったとしても
それは 本当に 僕を
僕を 選んで愛したことになるのだろうか?
貴方は誰も見ていない
僕すらも見ていないのではないかと 最近では思う
貴方は僕を
愛していますか?

命がけでその望みを果たしたいのなら
冷静に 暴走しなくちゃいけない
自分の全力以上のものを出して
それでも自分でいなくてはならない

流れ移ろう日々だから この光景を抱き締めて

その先に行きたいから 全てを捨てずに 育てたい

夢の中ですら 僕は空を飛べない

世界はこんなにも光と
絶望に満ちている

孤独と引き替えに得た自由
自由と引き替えに得た自分

自分が求めているものを
誰かの中に探すのは 止めよう

綺麗な言葉で日々を綴ると
僕の人生でさえ輝かしいものに思える
それで満足してしまう

一生懸命に働くことで
確かめようとしているんだ
僕の望んだ景色は
あの場所にしかないってことを

夢は
辛い日々を忘れるために見るのか?
ここに馴染めない自分を正当化するため?
汚くて情けない自分に蓋をするため?
努力を忘れたことの言い訳?
真面目に毎日を送っている人たちを嘲笑うため?
死ぬ間際に「良い人生だった」と自分を慰めるため?
苦しむことすら快楽にしたいから?
じゃあ
正しい夢はどこにある?

桜の花を腐肉に例えたのは誰だっただろう?
今の僕には 凍えるほどに冷たい雪に見える

寒さが去って光が溢れ
春の声が聴こえても
僕が感じているものは
苦しいほどの夏の匂い

急に感じた違和感
ここにいてはいけないという違和感
ここには俺の居場所はないという絶望

運命にあらがおうとしていたのに
その枠からは飛び出せなかっただったら
俺の夢は叶わない
みんなの笑顔に囲まれたシーンはないから

途切れた糸を 必死に繋ぎ合せようとしていた
もう諦めた
途切れた糸は捨て去って 今は
何も無いところに 糸を張る

泣きたかったんだ
ただ、それだけだったんだ
膝をついて何も無い空間を見詰めて
歌にならない声を出す
泣きたかったんだ
ぐちゃぐちゃに泣いて 情けなくなって
誰にも慰められることなく 声も届かず
涙はただ地に堕ちて 痕も残さず
未来も 夢も 過去も 傷も 過ちも
罪も 痛みも 虚ろも 現実も 全て
忘れて
泣きたかっただけだったんだ

鏡に映った貴方の指に
そっと優しく唇添えて
鏡に映った貴方の胸に
銀の刃を突き立てる

 変わってしまったキミの姿。僕はずっと追い求めている。
 僕は変わったかな?
 それは多分、たくさんの辛い思い出のせいだと思う。
 キミが変わったのも、そのせいなのかい?
 だったら、もう僕らは逢えないね。
 この再会すら、僕らを変える記憶にしかならないんだから。

時の欠片を拾って集めて
そのひとつひとつに名前を付ける
そのひとつひとつに色を塗る
そして僕はその欠片をガラスケースにしまう
いつかその欠片が本当の輝きを放つことを祈って
今を無駄にして 過去の破片を集め続ける

今日も正しく四苦八苦
にこにこ笑って悪戦苦闘

超えるべき壁を見つけた今は
もう退くことも悩むことも迷うことも忘れて
ただ 今を あるがままに

訊きたいことがあるのに
怖くて訊けない
キミはきっと 僕を見下すから
失望したキミの顔が 何より怖いから
だから僕は知らない
キミについて 何も

いつの日か振り返って気付く
ひとりじゃなかったことに
でも 気付いたときには もう
ひとり
いつか誰もが忘れる 置き去りにする 消し去る
僕のことなんて 誰も覚えていやしない
だから
振り向かずに 今は歩こう


ちょっと実験。

『その日は風の強い日だった。
 まるで僕の間違いを指摘するように、風は吹いていた。
 耳元を通り過ぎて、届く音を遮る。激しく吹きつけて、目を閉ざさせる。
 ああ、そうか。
 アンタは、僕が間違っているって言いたいのかい?
 溜め息すらも、風はさらって行った。
 そんな日に、僕は彼と出会った』

実験その2

『その日は風の強い日だった。
 僕らの住む町は、いつも風が強い。天気の良い日の午後は、決まって風が窓を叩く。
 かたかたと揺れる窓を振り返ると、その向こうには明るい景色。
 なるほど、と僕は思う。そして、いつも立ち上がる。
 風は強いけれど、天気は良い。文句ないくらいに晴れてる。
 吹き続ける風は、午後になると窓を叩く。
 そんな日に、僕は彼と出会った』

実験その3

『その日は風の強い日だった。
 通りを行く人たちは前髪を抑え、帽子を押さえ、目を細めて歩く。
 前屈みになって、みんながみんな顔をしかめて歩いている。
 店の中には風は吹かない。窓の向こう側の景色は、まるでテレビの向こうのように現実味がない。
 風の吹く音も聞こえず、迷惑そうに愚痴を言う声も聞こえない。
 ビルとビルの間を歩く人たちは、強い風に吹かれながらも足を止めずに歩いている。
 僕はそんな人たちを眺めていた。
 風が強かろうが弱かろうが、店内にいれば同じ。晴れていても、雨が降っていたとしても。
 ただ、通りを行く人たちだけが無言で僕に教えてくれる。今日は風が強いんだよ、と。
 そんな日に、僕は彼と出会った』

大好きな歌を唄うのは
大好きな日々がやってきたから

道を歩く人たちの笑顔が全て
僕を嘲笑しているように見えるから
僕は殺意を研ぎ澄まして 悪意に変える

知らない内に濡れてた頬は、僕の頬だったんだ
僕が失ってしまった、キミ
僕のせいで失われてしまった、キミ
全ては僕のせいだから
流れる涙を拭うことなんて、出来やしない

泣くことすら出来ない自分を
大声で笑う

もう、それは過ぎ去ったことなんだよ。
追い求めようとして似たようなものに手を出しても
あの日感じた生の実感は得られないんだよ?
いつまでも同じ場所を回っているつもりでも
その螺旋は、下にしか向かってないんだよ?

絶望に塗れた日々を送るほどに、書く話は美しく……

悦びと失望の狭間
快楽と狂喜の累積

今日の狂気と明日の狂気
多分それほど変わらない

僕はひとりで歩くしかない
キミは僕についてこない
僕はキミを待たない
キミと同じ道を選ばない
だから 僕はひとり
どんなにキミが僕を愛してくれても
どんなに僕がキミを愛していたとしても

かすかに残る後悔を
次の物語への 糧に変えて

朝の光の眩しさに
何も考えず 笑顔が浮かんだ日

途切れた笑顔の源を
もう一度 探しに

渦巻く緑の縞の紋
途切れた赤く細い糸
痺れる刻に響く鐘
終わった歌の残す木霊
そして
始まる劇の上がる幕

忘れない 忘れないでしょう
貴女が触れた 最後の温もり
消えても 消そうとしても
きっとこれだけは 永遠

雨に濡れて立つ貴方の横を
傘を差して楽しそうに過ぎる 少女

降る雨に濡れる僕の肩
降る雨に顔をしかめるキミの背中

気付いてよ キミを呼び続ける 僕の声
何も気にせずに ただ 僕といれば良い
それは恥ずべきことじゃない
動き続ける時計だって 電池が切れれば止まるんだから
そしたらまた 電池を入れればいいんだから

騒々しく けたたましく それでも荘厳に響く
あの鐘の音が聴こえる
僕らは笑顔で耳を澄ませて
人ごみの中にすべり込もう

はしゃぎすぎた夜が明けて
元のレールに戻れない

本当の哀しみは 泣けないこと
本当の歓びは 涙を流せること
本当に苦しいとき 僕らは笑う
本当に楽しいとき 僕らは大声で笑う
目の端に 涙を浮かべて

月夜に響く旋律を
真昼に贈る子守唄を
この青い空と 青いキミの姿を
波間に割れた満月を
降り注がれた星屑を
笑顔に変える 陽光を
届けたいのに 出ない声

雨が降り続いています。
あの日と同じように降り続いています。
どうせ降るなら冷たい雨じゃなく
トラブルでも降ればいいのに。
ぐちゃぐちゃにかき乱して、何も分からないくらいに。

穏やかに 柔らかに 誰にも気付かれないほどに
静かに吹き続ける 風になりたい
いつか止んでも 誰も気にしないくらいの
優しい 風でいたい
でも、風はいつか激しく貴女に吹き付けるだろう

灰色に濁る分厚い雲も
骨を軋ませるほど冷たい雨も
どこまでも透き通るような蒼さも
抱き締めて 受け入れて 守り続けてきた
空が
僕らの上には いつでもあるのだから

どうせ終わるなら このまま
綺麗に 何も残さずに
ただ通り過ぎてくれればいいのに
どうして貴方たちはいつも
私のこの身体に 深く 熱く 消えない
痕を残すのですか?

音も立てずに過ぎ行く日々の その欠片
振り返り探しても 僕らの手は思ったより短くて
声は小さくて 想いは薄っぺらで
いつも 嫌になってしまう
過ぎ去る日々を 好きになれないでいる

目の前に差し出された無数の札を
感じたままに選んだような
そんな僕の人生
決めたのは、僕自身
だから僕は今でもこうして
両手を精一杯に広げて 走る


孤独なのだと思い込んで
退屈な時間を過ごしていたけれど
孤独だろうが何だろうが
時間なんて 楽しむためのものだ
糞の上にだって花は咲く

僕が歌を唄うのは
何でだろう?

狂気が好きで 狂うのが好きで
人が死ぬ映画や話が好きで
血を見ると背筋に悦楽の痺れが走った
そんなにも 僕は 狂いたかったのだろうか?
辛い現実から逃げ出すために 楽になりたかったのか?
例えある種の本当がそこにあったとしても
今の僕はもう そこには行きたくない
僕らが立つ場所は いつでも
光の真下であるべきだから

そして僕は(僕らは) どこに辿り着けるのだろう?


inserted by FC2 system