タイトル:『無価値な日々に湧き出た価値ある言葉(または偶然の産物)』
行き場を無くしてしまった
でたらめの物語を
それでも紡ぎ続けているのは
強さなんかじゃない。
あの声を、もう一度だけでも
聴きたいから……
闇の中に差す ほんの一筋の光。
今にも消えてしまいそうな、微かな輝き。
目を凝らさないと見えない、仄かな瞬き。
夜の闇を払拭するにはあまりにも力無い
昼から届いた一筋の光明――
それは僕の全身を照らすには充分過ぎる。
ここではないどこかへ。
行ってどうするつもりなのだろう?
今より優れた自分に。
ならずにどうするつもりなのだろう?
一つになることのなかった二つのシルエット。
降り注ぐ痛みと 豪雨
この身を切り裂く言葉と 刃
守るべきものを守ろうとして
傷付けるべきでないものを傷付ける
自分の肉の限界を知り
未だ魂の限界は知れず。
流れ過ぎ行く微かな旋律。
音と光の織り成す円舞。
人の手によって生み出すことの叶わぬ奇跡。
この素晴らしき世界を汚す 我。
見えないものを見ようとして目を見開き
世界の残酷さに目を伏せる。
人の夢で出来ているこの世界で
叶わぬ夢などあるものか
キミに聴かせたかった歌があった。
キミに言いたかった台詞があった。
キミと見たかった景色があった。
その全てはもう叶うことはないというのに……
なんでボクは止めようとしないのだろうか?
ここで 今 この場所で
真っ直ぐに立つことの出来ない奴に
この先に進むことなんて
絶対に出来やしないだろう?
力の限りに抱き寄せて
そして優しくキスをする。
時間よりも大切なもの
自分よりも大切なもの
孤独よりも大切なもの
自由よりも大切なもの
僕は風
肩の力を抜いて
あるがままに流れて行こう
白クテ蒼イ コノ夜ニ
ボクハ狂気ニ狂喜スル。
大好きな歌を唄うのは
少し哀しくなったから
悔しさと歯痒さに涙して
虚しさに憤慨出来ない。
剣に死するは男子の本懐
ペンに死するが俺の夢
そして僕は価値を手に入れるためだけに
またこうして走り始めた。