『月とお散歩』

明るい夜に犬とお散歩
両手を振って口笛吹いて
僕は気付かなかったけど
お月さまも一緒に付いて来てた

入道雲はポップコーン
弾けて跳ねたポップコーン
ふんわりさくさくこうばしい
三時におやつと白い雲

窓の外が真っ黒で
甘くておいしいチョコみたい
なんだか嬉しくなってきて
僕は部屋から外に出る
寝る前の歯磨きは忘れずに

春に降る雪は粉砂糖
ふんわり庭を白くする
おいしそうな模様はすぐ消えた

眼鏡をかけてぐるぐる
眼鏡を取ったらふらふら

ビー玉に映るキミ
ぐにゃりと溶けて見えなくなる

降る雪の冷たさよりも
窓の外の明るさに驚いた

青の中のコンサート
赤の中のロンド

冗談混じりに
冗談にもならないことを言う

たまにしか逢えない恋人
たまにしか逢いたくない恋人

病気のような 狂いそうな気持ち

忘れられない笑顔
忘れてしまいたい台詞

舞い上がった羽
元の場所には戻らない

降る雪の一片
夜を照らす燐光

赤い闇 黒い光
流れ出る血は虹色に

潰れたトマトに群がる蟻

しびれるくらいに冷たい言葉
凍りつくほどのラブソング
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