『雨が上がれば』

きっとまた新しい日々が始まる
きらきらと光る雨粒が
街を新しい色に染める
雲は流れ気が付けば空はいっぱいの青
久し振りだから今までよりずっと眩しく感じるに違いない
湿った風も温かくなって公園には小鳥たちの姿
子供の笑い声が響いて人混みもどこか浮かれて見える
傘はまたしばらくお休み
次の雨まで少しお別れ
雨が上がれば僕はいつも窓の外を眺めて笑う

さよならをしなくてはいけないの
楽しかった毎日に
雨は上がって空は晴れたから
いつまでも傘を差してはいられないの
貴方がそっと冷たい雨から私を守ってくれたから
淋しいはずの雨音も 今では嬉しく聴こえるの
雨が上がったから へいき
私はひとりでも歩けるの
繋いでいた手は淋しいけれど
貴方にも歩いて欲しいから
二人で一つの傘の下 貴方はとてもやさしくて
また降り出した雨だから
今度はひとりで歩きます
いつかまたこの雨が上がったら
そしてまた 雨が降ったら
今度は私の小さな傘で
貴方を迎えに行きたいの

暗い空が晴れて雨が上がれば
きっともう寂しくない
考えられないくらい 時は苦しくて
気が付けばいつしか 考えられなくなっていた
人ごみに紛れても 寂しさ消えずに
降る雨の中を歩いていた
たったひとりで
泣くことも 逃げ込むことも
何も考えられずに
そう 貴方が傘を差し伸べてくれるまでは
一目見て分かったの
私と同じだなって
貴方もずっとひとりだったんでしょう?
同情だって知っていたけれど
私はただ嬉しかったの
過ごす日々が考えることを呼び戻す
辛いけれど でも 楽しくて
寂しさ忘れたのはいつからだったのかな?
気付けばまた笑っていた
重なる日々の思い出が私を変えてゆく
怖くなかったの 幸せだったの
明日が分からない歓びを教えてくれた
貴方の差し伸べた傘の色
一番好きな色になったの
貴方と出会った日の空の色
曇った暗い空の色
記憶に残る空の色は優しく明るいクリームの色
晴れた空も曇りの空も どっちも好きになれたから
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