天上の旋律

音楽が聴こえるよ
天使たちのコーラスが
途切れた思い出を歌にして
私は 歌を唄う

いつか 貴方のためだけ
私だけに 出来る何か
きっとあるはずと探してた
貴方がいなくなっても

音楽が聴こえるよ
子供たちの笑う声も
晴れた空 明日も眩しいから
私は 歌を唄う

超えられなかった分厚い壁
手を触れてみたら暖かかった
痛い想いにだけ囚われてた
今までの日々 馬鹿馬鹿しくなった
見上げる空は青くないけど
この先行く道も見えないけど
たまには ここで こうして こうやって
目を閉じて少し耳を澄ます

音楽が聴こえるよ
溶け出した 祈りの声が
忘れかけていた 最初の気持ち
ゆっくり 甦るよ

降り出した 雨の音
鳴り響く鐘の音
水溜りに写る街の景色
淡い 水彩画

繋いだ 指先から
はっきり 伝わった
貴方の確かな暖かさに
いつしか 慣れていた

音楽が聴こえるよ
優しい 旋律が
見て欲しかった この景色
滲んで 溶けてゆく

いつしか 夜は明け
ミルク色の窓の下
肩を並べて 貴方と私
新しい 歌を唄う

やがて街は 滲んだ景色の中
新しい歌を 口ずさんで
醒めた夢の欠片を 拾い集めたなら
全ての 鼓動は 音楽になる

音楽が聴こえるよ
貴方の胸の鼓動が
伝わる 吐息も 温もりも 
全てが
天上の旋律
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