冬風

夕焼けの空を
ひとりぼっちで見上げてた
胸の奥に 今も残る
キモチの欠片
貴方の指が なぞった場所が
少しだけ痛む

終わらない夢を見ている つもりだった
夢から醒めることは ないと
歩き出した私の 隣には
気付けば誰もいなかった

木の葉の落ちた街路樹に
足を止めて 目を向ければ
巡った季節に 哀しみ想うけれど
抱き寄せてくれる 胸はない

ひとりの夜に
オルゴールの奏でる歌
懐かしく響く あの旋律
流れた涙は そっと消えてしまうけど
鏡に向かっても 笑えなくて

いつか どこかで……
そんなことばかりを
繰り返し考えています
振り返らず立ち去った貴方の背中を
忘れられずにいます 今でも
出逢いと別れが繰り返されるものならば
また 貴方に 出逢いたい

風が 強く 吹いて
冬の 匂いが 少しだけ 近づいて
舞い上がった 木の葉が 踊るように
街の空へと 消えていった
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